NPOイシス・コミッティ事務局
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設立趣意書
明治4年に京都で開催された京都博覧会で、新しい文明の成果や他国の文化を伝える役割で始まった内国博覧会の展示機能が、博物館・美術館の発端となり、その機能は「価値ある事物、学術資料、国内美術の収集による流出防衛」へ発展し、さらに「調査研究、社会教育、文化向上・発展などを図る場」へとその機能を拡大しました。加えて国際交流が日常化し、外国人と社会生活を共にする今日では「多くの異なる文化を紹介し理解を深める拠点」としてその重要性が高まっています。
多くのこれらの施設は、公的機関の助成制度により、その主たる展示機能を常設展から企画展に拡充し、国民の文化への関心を喚起する企画展が数多く開催されてきました。
しかし現在、公的機関の助成の減少、独立行政法人化、民間委託化などにより自立を強く求められた博物館・美術館は、より集客力がある企画展にその経営を頼らざるを得なくなっています。しかし長年、公的機関の助成をもとに高額な評価済みの企画パッケージを誘致してきたことから、企画力や経験の不足により独自で行う企画展は質が低下し、総体に来館者が減少し、重要な役割である文化・芸術の振興、異文化の紹介と言う機能が低下してきています。
この現状を解決するためには、博物館・美術館に対して旧来の方法から抜け出した適切な助言、新しい企画を提供する事が必要であり、加えて企画に参加するそれぞれに立場と方向性が微妙に異なる関係団体や企業メディアを連携させ得る調整や企画案が不可欠です。これは単に博物館・美術館の運営に関する専門家だけでなく、広く異なる分野の専門家及び博物館・美術館がターゲットとする一般大衆からの提言も必要となります。
任意団体イシス・コミッティは、エジプトや地中海文化圏で活動し個々の立場で、博物館・美術館の色々な企画にその専門的な知識や経験から助言、提案を行ってきた人々がもとになり発足し、現在まで多くの企画展に対して、各種提言、提案活動を行ってまいりました。
今後、私どもは組織及び会員を拡充し、異なった文化圏で活動した人々或いは、見る立場の多くの一般の人々の提案、提言や、広範囲の専門家による専門的意見を収集し、博物館・美術館により集客力があり経営的に有効な提言を行う事で、収益中心に向かう動きを是正し、博物館・美術館が本来持つ社会教育、文化向上・発展などの重要な役割を援助するとともに、多文化共生社会の構築に向けて活動していきたいと考えております。
今回、任意団体「イシス・コミッティ」を特定非営利活動法人イシス・コミッティにすることにより、外に開いた組織として多くの見る立場の一般の人々や異なる分野の専門的意見の収集が可能になり且つ、関係諸団体に対して社会的に信用される組織として活動が出来る事で、国内のみならず諸外国機関や異なる文化の中で生活している人々との連携が容易になると考え特定非営利活動法人の設立に至りました。
NPOイシス・コミッティ
理事長 中山 幸彦